長野県松本工業高等学校 電子工学部

長野県松本市にある松本工業高校。1939年に設立され、80年以上の歴史を誇る。機械科、電気科、電子工業科の3つの専門学科があり、生徒たちは専門的な知識や技術を日々学んでいる。

本プロジェクトには松本工業高校内の部活動のひとつ、電子工学部が参加。 電子工学部は、これまでも企業からの依頼を受け、数々の研究やイベントに携わってきた。今回は顧問の三澤教諭と部員の皆さんにお話を伺った。


今回は電子工学部としての参加ですが、具体的にはどのような活動をされているのでしょうか?

飯森さん:電子工学部では、マイクロメカニズムコンテストに挑戦するチームや、ものづくりコンテストに参加するチームなどにわかれて活動しています。

ほかにも、地元の企業さんからのご依頼でコラボレーションのお話もいただき、有志でも様々なチャレンジをさせていただいています。


何かを作るような活動が多いのですか?

大月さん:ほかにもeスポーツ班というチームがあり、eスポーツの大会に参加するだけでなく、企業の方たちと協力して長野県のeスポーツのレベルを上げていくための取り組みをしたり、eスポーツの大会に裏方のスタッフとして参加したりなど、幅広く活動しています。


部員数が100人弱ということですが、人数が多いと大変なんじゃないですか?

飯森さん:そうですね、統率はなかなか大変です(笑)

宮沢さん:これだけ多いと、部長1人で回すことができないので、各班(チーム)に班長を置き、僕はその間で中間管理職のようなことをしています。

部活動ではありますが、企業のようなマネジメントシステムをとっているんです。

今回のプロジェクトにはどういった経緯で参画することになったのですか?

三澤教諭:信州大学の中村先生からAIで検知したネズミをラジコンカーで追い払うことができないかっていう話をいただきまして。

それを生徒に話したところ興味があるとのことで、直接中村先生にお越しいただいて…という流れですね。

 


難しそうなプロジェクトですが、参加しようと思われたきっかけは?

三澤教諭:毎年こういったお話をたくさんいただくんです。

自分たちでやることをすべて決めるのがこの部活のスタンスで、私がすることはいただいた話をまとめ、彼らの判断を促すだけです。

一方、彼らは「挑戦したい」という高いモチベーションを持っています。なぜそう思えるかというと、先輩たちがやってきたから。

間近で見てきた後輩たちは「自分たちもできるんじゃないか」っていう思いを持っています。

今までやったことがないものでも、部活動の先輩達が残してきたチャレンジする姿勢と受け継がれてきた技術を元に、「まずはやってみよう」という意識で果敢にチャレンジしています。

今回のプロジェクトを通じて、どんなことを得たいと思っていますか?

宮沢さん:普段の授業の課題って、ボタンを押してLEDを光らせる、といったどんなことに役立つのか分かりにくいものなんです。
チャレンジするのであれば、誰かの役に立って、誰かを喜ばせられるものを作りたいと思っています。
これが僕の最終目標です。

 

大月さん:僕は企業さんとのコラボはeスポーツで経験済みなんですが、そちらは裏方や運営がメインでした。
今回は僕の得意なハードウェアを担当する予定で、ドローンの回路をどうやって作っていくかとか、充電台に着陸するときの揺れをどうするかとかを試行錯誤しなければなりません。
でもこれはハードウェアの開発では絶対に必要なことで、そういった点を学ぶことは、ものすごく自分の力になると思っています。

 

西脇さん:私は他の方との連携力を高めていきたいですね。
これまでハッカソンで誰かと一緒にものづくりをすることはありましたが、今回は企業や大学の方とのディスカッションを踏まえた実装が必要になります。社会に出たときに役立つと思うので、そういった面でも期待しています。

また、今回は初めてPythonという言語を使用します。しっかりこの機会に学びたいです。

 

飯森さん:自分は今まで、技能五輪とかロボコンとか、個人競技的な活動が多かったんです。

今回の機会で、部員だけじゃなくて企業や大学の方たちと協力していくことを通じて、連携力とかコミュニケーション力とかを得られるのは、この先の人生の中でプラスになると思っています。

みなさん、今回のプロジェクトで大きく成長されそうですね。

三澤教諭:今回お声がけいただき、高校生のうちから社会で役立つことを体験できるのは素晴らしい機会になると思います。

生徒たち自身が自分たちで話し合い、決断し、技術を高めあっていくことは、生徒たちの将来にプラスになるだけでなく、世の中にもたくさんのメリットをもたらすことになると信じています。